Main Series JOJO+1 プッチ神父「Clarimonde」

コンテンツJOJOのSeriesに作品を追加しました。
プッチ神父の夢漫画です。
テオフィル・ゴーティエ著「死霊の恋」のパロディ、サイレント漫画になってます。
以前からこのパロディは描いてみたいと思っていたもので、それがかなえられてよかったです。
前回の神父様の誕生日漫画を描いてから漫画を描くハードルが低くなってきているので、
またゆっくり何か描いてみたいなと思ってます。
ポイピクの方にリアクション送ってくださった方もありがとうございました。

以下個人的な振り返りです。

「ロミュオーさま。わたしは長い間あなたをお待ち申しておりました。(中略)わたしの掌を見て下さい。こんなに傷だらけになってしまったのです。この上に接吻をして下さい。これが癒りますように……」
 彼女は冷たい手を交るがわるに私の口へあてたのです。わたしは全くいくたびも接吻しました。彼女はその間に、なんとも言われない愛情をもってわたしを見ていました。

テオフィル・ゴーティエ『死霊の恋』
世界怪談名作集「クラリモンド」より 岡本綺堂訳

漫画に描いた部分はこのシーンになります。
このシーンの二人も文章そのものも本当に美しくて大好きです。

以前から好きな作品ではあったのですが、
神父様を知ってからは「もうこれ神父様じゃん…」と思ってしまい、パロディさせたいという気持ちがありました。
女吸血鬼と聖職者のお話で、美しく若い彼女が女に耐性のない若い神父を誑かし破滅させるファム・ファタールもの…かと思えばそうではない。
美しくて切ないお話です。
個人的にはかなり読みやすい話だと思います。
気になった方は青空文庫で読めますので是非…!

ただ読んだことある方はわかると思いますが、これ全編読むとどうがあがいても神父様関連の某腐CPなんですよね…。
「神を愛するように君のことを愛している」はもうその二人だけの言葉であって、
そこに別の存在を入れるのは違うかなと自分の中で考えてたので描くのにずっと躊躇していました。

でも神父様が自分より小さい存在に夢中になって彼女に内心滅茶苦茶にされているところが見たいよ~!
と思って描きました…。
二人の生活を始めるとき、「いつ出発しますか?」と聞かれて「あした、あした……」と夢中で答える神父様…。
その後彼女の様々な面を見たというのに、彼女のことを悪魔だとは思えなくなってしまう神父様…。
かわいい…泣

今原典調べなおしてたら、岡本綺堂の訳もラフカディオ・ハーンの英訳から翻訳されているんですね。
芥川龍之介訳の方もそうですが、幻想怪奇の作風を持つ作家ばかりでこの人たちの著作も好きなので好みって似るんだよな~…と感じています。

作画部分は本編中のペン入れはガサガサ系のペンを使っているためそこまで修正に時間かからなかったです。
全ページ通してサクッとできた気がする。
ただ表紙が…。厚塗り+色味の調整で時間かかりました。
まだ厚塗り系苦手だな~…。
印刷してみたら悪くなかったんですが、高画質で見るとぬるぬるしていてなんか気持ち悪い感じがありました。
適切な加減をわかるようになりたい。

あともうこれはただただ私がアホって話なんですが…。
サイトにアップする前に修正箇所がないか印刷してチェックしたところ大量のミスが見つかりました…。
仕事の雑さって後でつけが回ってくるよね…って思いながらホチキス止めしたら、
本編中数ページにわたって穴をあける始末…。
もう~~~…どうしてこうなのか…と凹みました。
でもやっぱり手元に作品があると思うとテンションが上がる。
めげずにまた漫画描きたいと思いました。